「プラトー現象」をもっと早く知っていれば… [現象]

 カクテルパーティ現象、マスキング効果、ストックホルム症候群、リマ症候群…
心理学や精神医学の領域にはいろいろな現象やシンドロームがあって、興味深い。
その中で、プラトー現象 (plateau phenomenon)というのが面白いと思った。

 たとえばピアノを習い始めた生徒。最初のうちは練習しただけどんどん上達する。楽しいからさらに練習する。しかし、ある段階に達するとスランプのような状態に陥り、いくら頑張ってもその効果が表れない。この停滞期のことを、「平原(Plateau)」に譬えてプラトー現象と呼んでいるのだそうだ。

 プラトー現象が続くと、たいていの人はウンザリして練習をやめてしまうが、ここでめげずに頑張り続けると、平原状態を脱してさらなる飛躍が期待できるのだという。
 プラトーは「眼に見えないバケツにコップで水を注いでいるような状態」であって、頑張っている本人には徒労感しかない。でも、眼に見えないバケツは徐々に水位を増し、ついに満タンになってドバッと水が溢れる。そこでようやく努力が報われるのである。

 自分の人生をふり返ると、勉強やスポーツ、筋トレ、楽器、ダイエットなど、すべて途中で挫折している。どれもプラトー状態に耐え切れなくなって「あきまへん!」と投げ出したのだろう、今思うと。
 私だけでなく、多くの人がそうなのではないだろうか。世の中に自称・器用貧乏が多いのはそのためだったりして。雌伏期を脱した後の〈雄飛〉を味わったことのある人は、その経験からあらゆることに努力ができるのだろう。器用貧乏も多いが、何をやっても一流という人もたくさんいるのだ。
 せめて器用貧乏になりたかったよ。
タグ:プラトー
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